暮らしに役立つ豆知識
3月1日 第166回 くらしに役立つ情報です
住まいが作り出す現代病・・化学物資がもたらす健康被害
大量に使われる化学物資
最近の住まいづくりでは、化学物資が大量に使われています。土台や柱など主要な構造材にしみこませた、防蟻剤・防腐剤、合板を製造する際に使われる接着剤、クロスを貼るための接着剤、樹脂製の建材を作るために使われる可塑剤・防蟻・防腐効果のある塗料・等さまざまな化学物資が、使われております。これらの化学物資は少しずつ室内に放出されて知らず知らずの間に、体内に蓄積され健康被害を引き起こす可能性が生じてきます。特に冬場の暖房期間中は窓の開放が少なく、よりいっそう濃度が上昇します。抵抗力の弱い乳幼児・化学物資に敏感な大人でもこれらの有害物資は要注意です。時には、体全体に湿疹が出る、呼吸器障害を起こすなど重大な症状を引き起こすことがあります。
住まいの変化が病気を助長(2006年2月45号の再掲載)
化学物資が大量に使われるようになったのと同時に、住まいの構造や暮らし方が変化したことも不健康な環境を作り出す結果につながっています。構造に関する大きな変化は気密化です。
昔の日本の住まいは夏を快適に暮らすために、風通しの良さを第一に考えていました。建具の密閉度も低く、締め切っていても隙間風が通る住まいでした。今の住まいはしっかりした構造にするため、コンクリート造りのマンション・耐震性を考慮した個人住宅等が増え、木造住宅もツーバイフォーのように構造用合板を使うものが増えています。
隙間風の防止や防火のために、アルミサッシュがすっかり定着しています。この状態が建物の気密化に一役も二役も買っているのです。建物全体の気密化が室内に放出された化学物資が長く滞留・濃縮されて健康被害が発生してしまったと考えられます。更に冷房が普及したことも原因の一つかもしれません。心地よい暖気を屋外に放出して空気を入れ替えることは、折角の暖気をもったいないと思いますが、定期的に換気を励行しましょう。夏場の冷房の快適さも化学物資の放出のため定期的に換気を行いましょう。 (参考資料:NPO法人省エネ建材・住宅普及協議会:後悔しない「快適な家づくり」の知恵袋より)